男は浮気性とよく言われ、奥さんが旦那さんの
女遊びを叱っている、という構図はもはや
一般常識であるかのようにすら思える。
散歩の途中、畑に手で苗を植え付ける男を
眺めながら、私はふとそんなことを考えて
いた…。
男と女のラブゲーム
ある日男は畑に種を撒くべく、
より多くの子孫を繁栄させるべく、
あちらの畑に、こちらの畑にと種まき交渉に
忙しそうである。
「俺の持っている種は他の奴よりも立派
なんだぞ」
と吹聴して廻り、その証拠を見せるために
立派な服を着て高価な車を乗り回し、
畑の主である女に自慢話をする機会を
あちこちで伺っている…。
畑の主である女はそんな男に惚れ、
「種を植えるのは構いませんが、
私が苗をキチンと世話できるように養って
ください」と約束を交わした。
男は種を植えたい一心で
「勿論だとも、任せとけ!」と
大風呂敷を広げてみせた。
右斜めから
夏になり、植え付けられた苗は
大きな実をつけた。
散歩の途中に見かける
畑にはいつも決まって女の姿があった。
女は雑草を抜き、畑に水を引き込み、
せっせせっせといつも世話をしている。
男は畑にたまに現れては少し手伝い、
女の機嫌を取っていた。
女がこうして畑仕事に尽力できるのも、
養ってくれる男の財力と愛情のお陰であった。
そうして穏やかな季節は何度も訪れたが、
ある日女は男が他の畑に種を
撒こうとしているのを見かけた。
左斜めから
女は直感的に "まずい" と思った。
なぜなら男は種を撒いたらその畑に入り浸る
ことを知っていたからだ。
女は男がいなくなっては稲を育てる事が
出来なくなると思い、男に抗議した…。
「約束が違うわ、種を植えるのは私の畑
だけだって言ったじゃない! この契約書を
忘れたの…」
そういって婚姻届を突きつけた左手の
薬指には、男とツガイである事を示す
同じ輪っかがはめられていた。
"約束だから仕方がない"、男は謝って
他所の畑には二度と種を植えないと約束した。
そして男は翌年、
他所の畑にまた植えた…又怒られた…
また植えた…。
確信犯
女の愛と男のプライド
女は畑である。
植え付けられた種を産み、守り、育て、
やがて収穫して世に送り出す。
実ったその稲は人々の糧となり、
社会を営む一役となる。
女性のテーマは愛である。
それは苗を育むことに起因している。
愛が根本になければあんなに大事に世話を
して、立派に稲を育てあげることはできない。
愛を見失っている時の女性は陰湿で邪悪で
嫌味ったらしい。
往々にしてそれは夫に、子供に、
自分より立場の弱い者に
向けられることがある…。
男は種である。
種を植えることで子孫が繁栄し、人々の、
そして社会の糧となり、
社会を守れるということを本能的に
知っているから、種を植えたくなる衝動に
駆られるのだ。
男性のテーマはプライドである。
種を植え付けるためにはまず畑の主である
女性に認められなければならないから、
自分の有能さを必死でアピールする。
自らの種を少しでも多くの畑に植えるべく
画策しているのだ。
プライドを捨てた男は無邪気な子供の
ようである。
自由に表現することができて
伸び伸びとしている。
レディース & ジェントルメン
女性諸君よ、恋心というのはあくまで
きっかけでしかなく、いつまでも男性にそれを
求めるのはお門違いである。
男は種まきと財を獲得するために
生きているのだ。
家族や仲間や社会を守る事が男性の生きる
テーマであり、それが男性特有の愛情表現で
あるのだ。
しかし、恋から愛にスケールは変わる。
子育てによって女性は愛のスケールにまで
拡大し、著しく成長する。
根本のテーマに愛があるからこそ女性は
いつまで経っても強いのだ。
男性諸君よ、財を獲得することは最重要課題
であり、家族や仲間や社会を守ることはやはり
重要なテーマであるが、まずはあなた方家族に
とっての基地であり、安全地帯でもある
家庭内が平和であることが望ましい。
なぜなら疲れた心身はそこでこそ充電されるの
だし、主人である貴方の雲行きが怪しくては
家族は落ち着いてリラックス出来ない。
しっかり充電されるからこそ元気に明日を
迎えられるのだ。
その為にも家族には財と愛情をしっかりと
与えるのだ。
たとえ狩りが下手くそでも愛情を
与えることは誰にでも出来るではないか。
"要は気ぃ使ってくださいよ" ということである。
家庭を顧みず、種まきと財の獲得にあくせく
してきた男性は愛を理解できずにいつまで
経ってもプライドにしがみついている。
身体は老い、もう種を撒くことも出来ず、
仕事も趣味もない男に残されたものなど
役に立たないプライドしかない。
プライドを捨てられない晩年の男ほど
みじめなものはない。
妻にも子供にも相手にされなくなった男ほど
寂しいものはない。
だからこそ男性諸君よ、
プライドを捨てようではないか。
貴方は十分強いのだし、
これまでも立派にやってこれたではないか。
貴方が他人をバカにさえしなければ、
誰も貴方のことをバカにはしない。
貴方が自分と他人と比べるようなことを
しなければ、他人も自分のことを比べている
などとは思わない。
いつも通りに考える自らの思考の癖に気づき、
頭の中でのお喋りをやめてみようではないか。
無心でいられるその時にこそ、
プライドは浄化され、
愛はその姿を表しているのだ…🙏
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