祈り屋の原点
京都のヴィパッサナー瞑想センターに滞在して
4ヶ月が経った頃、瞑想をしている時にふと
"お祈りを専門にしている会社ってあるのかな"
と思った。
それからしばらくはその事が矢鱈と気になり、
ことある毎に考えるようになった。
しかし、瞑想センターでは瞑想と規律に
打ち込むべく「祈り屋」の構想については
深掘りせず、頭の片隅にしまっておいた。
奉仕としての瞑想センターでの生活は
個室があてがわれた。
生徒用の個室は4部屋くらいあり、
ベテラン生徒さんから順番に使えるのだが、
私は奉仕もしていたので
優先的に個室にしてもらえた。
奉仕者の個室と生徒用の個室は別の区画に
分けられていた。
生徒として参加している時は質素な食事も、
奉仕者になると自由度は増え、
3度の食事は女性陣が楽しそうに作り、
柔和な雰囲気で好きなだけ食べる事が出来た。
奉仕者は常時8〜10名いて、男女半々くらいで
あった。
生徒さんの予約状況は女性の方が圧倒的に多く
毎回男女合わせて80名ほどが生徒として
コースに参加した。
当時の私は瞑想歴が13年目であったが、
毎朝晩30分づつ行う程度であったし、
長時間座ったことなど一度もなかった。
初めて生徒として参加した時はとにかく
足腰が痛く、集中し続ける神経も疲れ、
「これは苦行だな」と思った。
元来からして努力の嫌いな私としては、
「変なところに来てしまった…」
とコース中は後悔ばかりしていた。
しかし、コースが終わった後の爽快感と
達成感は苦しかった分ひとしおで、
その後の奉仕の活動でも、元来人に尽くすのは
好きなので、とても楽しく感じた。
何よりヴィパッサナーの愛の教えと、
来ている人々の向上心、
場所の雰囲気がとても良かった。
メッターの瞑想
10日間コースの瞑想の最後には、パーリ語で
「メッターの瞑想 (慈悲の瞑想) 」
という感謝のお祈りが行われた。
これは生きとし生けるものに対する
慈悲の気持ちを言葉で表現する祈りの瞑想で、
瞑想の最後に5分ほど行われた…。
「生きとし生けるものが平和でありますように
生きとし生けるものが幸せでありますように、
生きとし生けるものが無知、過ち、暴力、
サンカーラ (苦しみ・苦悩) から解放されます
ように」
と全員でボソボソと唱えるのだが、
初めての時は、唱え終わるとなんとも言えない
多幸感と、満足感を感じ、
涙と鼻水がとめどなく流れ続けたのだ。
時間にして10分くらい泣き続けただろうか。
ティッシュもなかったので、長袖の手元は
拭った鼻水でビチョビチョになっていた。
その時の指導者さんによると、
どうやらあの涙は、過去の私が溜めてきた
罪の意識と、10日間の瞑想による
極度のストレスからの解放でそうなったの
だと言う。
最初のメッターの瞑想は私の中で
ブレイクスルーとなり、
人の幸せを願うお祈りの素晴らしさに
気づけた瞬間であった…🙏
求道作家のこだわりオーガニックど田舎生活…毎夜更新中
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